ヨーガで心と身体を健康に

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37回 加藤 則子

★お寺でヨーガ

ヨーガで心と身体を健康に

こんにちは。ヨーガ療法士の加藤則子です。しばらくのご無沙汰でした。
今日は、お寺でのヨーガについてお話しさせていただきます。ちょうど1年前に日本ヨーガ・ニケタン東京支部より連絡が入りました。
浜松のお寺さんより、「お寺でヨーガをしたいのでヨーガ療法士を紹介してくれるか」という旨の問い合わせがあり、私をそのお寺さんに紹介してよいかとのことでした。
そして、私ともう一人のヨーガ療法士と二人で、お寺さんに伺いました。そのお寺さんは、浜北区平口の不動寺さんです。副住職さんが京都のお寺にいらしたときにそのお寺でヨーガをしていて、浜松の自分のお寺でもやりたいという気持ちになったそうです。意気投合してお寺でヨーガをすることとなり、月に1度行うことになりました。もう一人のヨーガ療法士と交代でヨーガ・セラピーを担当することになり、スタートしました。
そして、「お寺でヨーガ」が始まり、1年になろうとしています。「お寺でヨーガ」では、まず本堂でのお勤めをし、方丈の間にて和尚様の講話を聴き、その後ヨーガ・セラピーをします。
お寺は自然に囲まれており、とても静かです。お寺という神聖で静かな場所に身を置き、自分と向き合うヨーガ・セラピーをするのは、とても心地よいです。忙しい日常生活から離れ、動き回っている身体や心のスピードがゆっくりになります。方丈の間の窓からは、季節の木々や花々が見え、小鳥の囀りが聞こえます。素敵な場所でヨーガ・セラピーが出来る幸せを感じています

★ヨーガ療法のお話【マインドフルネス】

ヨーガで心と身体を健康に

私たちがヨーガをするときの1つのキーワードに「マインドフルネス」という言葉があります。ストレスマネージメントであるヨーガにおいて、マインドフルネスを心がけることはとても大切です。
私は、ヨーガ・セラピーの実習で毎回のように生徒さんたちにマインドフルネスの話をします。マインドフルネスとは、「今この瞬間、この場に存在する自分の身体に気づくこと」「今ここの自分を客観視すること」です。日本仏教の「禅」がルーツと言われています。禅文化が海外に広がり、欧米の研究者たちが座禅や瞑想に注目しました。今に集中することが心の変化をもたらすことが分かってきて、医療現場や企業でストレスマネージメント法として用いられるようになったのです。
今ここに集中するマインドフルネス瞑想が、ストレスマネージメントになることは、最近、メディアにも取り上げられるようになってきました。人は、絶えずいろいろなことを考えていますが、その大半は「過去の後悔」や「未来の不安」が占めているといわれます。今にいることができず心が迷走している状態を「マインドワンダリング」といい、それがストレスの元になるのです。マインドフルネス瞑想では、例えば、目を閉じて自分の呼吸を見つめていきます。過去でも未来でもなく、今ここに集中することをしているわけです。ヨーガ・セラピーでは、アーサナ(ポーズ)をするときも、呼吸法をするときも、常に「今ここに集中する」ことをしていきます。
心の話から逸れますが、マインドフルネス瞑想は集中力を向上させることもできますので、脳にもよい影響があり、認知機能がアップするという研究結果も得られています。
マインドフルネスということを知らずに生活するのと、知って実践して生活するのとでは大きな違いだと思います。ヨーガをしている方にもそうでない方にも、毎日のマインドフルネス瞑想をお勧めしたいと思います。