このホームページを通して会員相互の交流が一層深まり、活動の場が広がることを願います。
母校浜松一中・浜松北高は今年創立130周年を迎え、去る11月14日、学校内で記念式典が開催されました。私は出席していませんが今日、『一中・北高創立130周年記念』という冊子が送られて来ました。「活躍する生徒たち」の記事は科学の甲子園全国大会、高校生模擬裁判選手権関東大会、高校総体陸上競技・漕艇競技などで優勝、準優勝した後輩たち自身が執筆しており、72回生、74回生、75回生と言うことはもう自分より50歳も若い人たちなのかとめまいがしそうでした。
私はいつの間にか同窓会人間になってしまい、北高関西同窓会の会長をしており、ついでに言うと、大学の方も京滋(京都府と滋賀県)支部の支部長をしています。北高関西同窓会は昭和27年にできましたので、今年は72周年でした。毎年7月にグランドホテル浜松で行われる本部同窓会総会は、いつからあるのかなと思っていました。すると、この記念冊子の巻頭挨拶で130周年記念事業実行委員長でもある中野勘次郎同窓会長が「昭和47年47才の旧制47回生が初代幹事となり、現在に続く濱一中・北高同窓会が誕生した」と書かれています。となると関西は本部より20年も前に有志により発足したわけで、手前味噌ですが少し誇りに思いました。
学年の同期会は10年前、還暦同窓会が当時舘山寺にあったホテル「九重」で行われました。懐かしい同級生にたくさん会えて愉快な1泊旅行でした。
それとは別に、私の中学校同級生でもある神谷省次さんが関東地区在住の25回生に声をかけて始めたのが「直虎会」です。2017年にNHKの大河ドラマ「おんな城主直虎」が放映された時だったので「直虎会」と名付けたそうです。
友人の何名かに「とても楽しい会」と聞かされていて、いいなあと思っていたところ、今年の7月、神谷さんが私の書の師匠の個展「石川九楊大全」を見に、上野の森美術館まで来てくださいました。雑談の中から直虎会の話が出て、「都合が付いたら是非どうぞ」と誘ってくれました。「都合は付けるものだ」と言うのが私の持論ですので、11月12日に決まったと連絡があった時は、すぐ出席の返事をしました。
この会は一人ずつ近況報告をする時間があり、前もって神谷さんより「いつもと違う話題を考えて来てください」とメールが来ました。たとえば、
① 12日現在古希達成した。いやまだまだ。
② 〇〇の資格を取得した。
③ 服用薬が増えた。
④ 転んだ。
⑤ 〇〇に旅行してきた。
⑥ 夫・妻との愛が深まった。等
です。この6番目には爆笑し、なんていいセンスをしているんだろうと感心しました。が、最初の人が言わなかったせいかわかりませんが、なぜか出席者15名、誰一人言及しませんでした。きっと自明のことだったのでしょう。
話は一気に飛びます。直虎会とはなんの関係もありませんが昨日、京都の岡崎にある細見美術館へ「美しい春画―北斎・歌麿、交歓の競艶―」展を見に行って来ました。細見ではかつて2016年に「春画展」も開催されました。その展覧会は2013年から2014年にかけて大英博物館で開催された「春画 日本美術の性とたのしみ」展が大きな話題を呼び、2015年東京の永青文庫、翌年京都の細見美術館と巡回しました。東京では21万人を動員したそうで、京都でも長蛇の列になっていました。
今回は細見美術館のみの企画展示で「美しい春画」と言うタイトル通り北斎、歌麿、春信、鳥居清長らの美しい浮世絵のまま、男女の姿がおおらかにユーモラスに描かれていて、思わず笑いを誘われました。版画のみならず肉筆画もあり、淫靡なものでは全くなく、まさに美しい絵でした。
江戸時代には「笑い絵」とも呼ばれ、浮世絵の普及とともに、大名から庶民まで貴賤を問わず、男女対等に楽しまれた、との解説に納得しました。
帰り道、平安神宮の参道にある「平安殿」に寄り、生菓子を購入。「平安殿」は2020年9月、第69回「二十四節気の展覧会と北村武資さんの着物、そして栗きんとん」でも取り上げましたので、お店の紹介は省きます。
画像はその時挙げた2つを除き、新たな2つを掲げます。イチョウの銘は「並木路(なみきみち)」、ういろう生地の中は黄身餡です。栗の方は「秋宝」、栗一粒まるごと羊羹生地で包んでいて、寒天にくぐらせて照りを出しています。
京都はやっと寒くなって来て、イチョウや紅葉もようやく色づき始めました。
ところで直虎会の会場は新幹線に乗る人にも便利なようにと品川駅すぐ近くに設定してくれています。その日、新幹線で帰るのは私ひとりでしたので、皆さんが改札口まで見送ってくれました。こんなことは初めての経験で、私にとっては事件でした。でもとてもうれしかったです。もう一つの私の持論「お食事は何を食べるかではなく、誰と食べるかである」をかみしめながら、京都に帰りました。
念を押しますが、直虎会の話題⑥と春画展は全く関係がありません。
(2024.11.22 高25回 堀川佐江子記)