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幡鎌さち江(24回)
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しらはぎ会の皆様、お久しぶりでございます。
2018年新しい年を迎え、希望に満ち溢れた良いニュースも有る中、異常気象、大雪、草津温泉近くの白根山の噴火……、また、世界規模での政治、経済の問題など………。もう一度、人間は驕りを棄てて、謙虚に、未来を考えていくことの大切さを痛感致します。
丘 浅次郎は、明治37年3月、「人類の誇大狂」という、次のような一文を書いています。(※『進化と人生』開成館に収録)
「およそ世の中を進歩せしめるには、理想ということはもとより大切であるが、理想にはできる理想とできぬ理想とがある。…実際に行われぬような理想ならば何の役にも立たぬ。自分で勝手に人間なるものを高く買いかぶり、実際の人間にはとうてい適せぬような高尚な理想の世界を想像し、現在の世の中がそのとおりになっておらぬといって憤るのは、憤るほうの無理であろう。石が下へ落ちるとか、水が低いほうへ流れるとか……というような経験に基づいた結論は、いつでもどこでもまず間違いはないが、人間が自分の悩中で勝手に考えたことは、もとより人間の悩中だけに限られてあって、……それゆえ、人間が如何に論じようとも柳は緑、花は紅でいっこう頓着(とんちゃく)はせぬ。宇宙における人類の真価を打ち忘れ、宇宙が自分の注文どおりなっていないとて、癇癪(かんしゃく)を起こしているのがいわゆる厭世家(えんせいか)の態度である。…」
丘浅次郎は、人類の真の姿を直視することによって、一人一人の人間が真剣に「人類の未来」を考えることの大切さを述べています。
今、世界の現状を直視すれば、安易な理想論に陥ることないよう、明治の先人に学ぶべきことがあるように思われます。