続編その9:丘浅次郎の御子息ゆかりの画伯・島村洋二郎

幡鎌さち江(24回
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 昨年5月、知られざる「夭折の画家・島村洋二郎、生誕百年の集い」へのお誘いがあり、東京神楽坂にある宮城道雄記念館を訪れました。

 島村洋二郎は1916年に大審院検事・島村忠次郎の二男として生まれ、1953年に亡くなりました。洋二郎が亡くなったとき3歳だった姪の島村直子さんは、後に、この見知らぬ伯父ことを知って、その足跡を辿り、遺作探しに奔走されました。そして、数多くの回顧展を実現、さらに画集やDVDなどを制作され、後世に残そうと努力しておられます。
また、洋二郎は、丘浅次郎の五男・直通の夫人(※説子)の弟で、島村直子さんは「拙稿・続編1」などで御紹介した香西理子様と従姉妹です。

 戦前、島村家は、宮城道雄さん(※箏曲家・作曲家として名高い)の御隣に住んでいたとの御縁があり、「洋二郎生誕百年の集い」は宮城道雄記念館で開催されました。洋二郎の作品が展示された会場で、映画「画家 島村洋二郎の眼差し」(※船津一監督)が上映され、ゆかりの方々のトークがあり、さらに香西理子様の「春の海」のバイオリン演奏(※箏との共演)など、素敵な「集い」でした。また、拙著執筆に御協力頂いた筑波大学名誉教授・塩尻和子先生も駆けつけて下さり、とても有意義な時間を過ごすことができました。

 尚、この島村洋二郎につきましては、来る3月16日(木)にNHK「ファミリーヒストリー」の番組で10分ほど放映されますので、御興味のある方は御覧頂けましたら幸いです。

(次回に続く)

【出典】

  • 島村洋二郎詩画集「無限に悲しく、無限に美しく」島村直子・鈴木比佐雄 編
  • 「眼の光 画家・島村洋二郎」坂井信夫・島村直子 編・著