2025年活動報告

レジリエンスでリラックス

教養部活動報告

 5月25日(日)に同窓会館にて開催された今回の講座は、加藤則子氏(高37回)を講師にお招きして、ヨーガ療法によってレジリエンスを高めましょうというものでした。レジリエンスとは、困った事があったとき、それを乗り越えたり立ち直ったりする力のことです。厚労省の調査によると、12~70歳が感じているストレスは20年前の30倍にもなっているそうです。レジリエンスは、そんな今の時代に注目されている力です。

 最初に30分程の座学でヨーガの歴史や教えについて手解きをいただきました。強く印象に残ったのは「過去でも未来でもない、今現在の自分を客観視する」というテーマでした。過去にとらわれ後悔したり、未来に不安を感じたりするのではなく、「今ここ」に集中することで心を今にとどめ、俯瞰して現実を受け止める・困難な状況にも意味を見出す…ヨーガはポーズ・呼吸法・瞑想をする中でこの自己客観視力が磨かれるのだそうです。「なるほど、これらを日常生活で実践できればストレスと距離が置けそうだし、回復力もレベルが上がりそう!」と前向きな気持ちを与えてくださる素晴らしい講義でした。

 座学の後は1時間程ヨーガの実習に取り組みました。実はヨーガでは柔軟性や難しいポーズは重要ではないそうです!大切なのは、無理はしないこと・人と比べないこと・呼吸を意識すること・小さな変化を感じ取ること。基本は椅子に座ったまま、時々立ち上がってポーズを実践しましたが、全てが穏やかな動き・ゆったりとした呼吸で進み、終わる頃には疲労感は全くなく、体の力みが取れて清々しい気分になっていました。

参加者からいただいた感想を紹介します。

  • ヨーガは運動の一種だと思っていたが、心の統制法だと知り、生活に取り入れようと思った。
  • 緩やかな動きでも体の内部が温まることを実感した。首や肩の凝りが解消した。

講座終了後、茶話会も開かれ、大変楽しく有意義な時間を過ごせました。

須部千絵美(高47回)

秋晴れに楽しむ万葉の食と草花

【体験部活動報告

 9月28日(日)、浜名区平口の万葉の森公園にて、「貴族の万葉食」を味わい、万葉集ゆかりの植物の説明を聞きながら園内を散策しました。幸い天候にも恵まれ、12回生から43回生までの30名が参加しました。

○万葉食について

 万葉食研究会「月草の会」が提供する万葉食をいただきました。地元の食材にこだわり、調味料やお茶も手作りされています。月草の会の会長の説明を伺いながら美味しくいただきました。

食事のメニューの一部を紹介します。

  • 月草(ツユクサ)、くず(葛の花)、むぐら(ヤブカラシ)の揚げ物 道端や草むらで見かける身近な食材が食べられることに驚きました。
  • ひしの実、カヤの実を炒ったもの 通常では食べることのできない食材です。素朴な味でした。
  • 佐鳴湖産天然鰻の蒲焼き 母校から程近い佐鳴湖で鰻がとれることを知らない方が大半でした。滋味あふれる贅沢な一品でした

○万葉植物について

 専門員の方から説明を受けた植物を紹介します。

  • 萩……万葉集では萩の歌が一番多い。人々に愛されていた。
  • ムラサキ……根を紫色の染料に使う。絶滅危惧種。
  • おけら……京都八坂神社で大晦日に行う「おけら詣り」に使われる。
  • ヒオウギ……葉が檜扇の形をしており、厄除けとして祇園祭の際に飾られる。
  • つづらふじ……漢字で葛藤と書く。蔓の絡む様子が「かっとう」の語源となった。

 このように、たくさんの植物の実物を見て解説を聞きました。また、この季節ならではの萩のトンネルもくぐることができました。

〇参加者のアンケート

  • 身の回りの動植物しか食材が無かった時代、味付けも彩りも含めてこんなに豊かな「食」になることに感激した。
  • 森の植物と食事も大満足で、多くの人によって文化が支えられていることを感じられた。
  • 珍しいお食事の解説や今の時期しか聞けない季節の草花の説明等、個人で訪れただけでは得られないよい学びの場となった。
  • 身近な自然、人との共生について、万葉の食、和歌を通して知ることができたことはとても意味深いものだった。

久しぶりに同窓生と集い、充実した時間を過ごすひとときとなりました。

福崎敦子(高36回)